2023.05.25
インポスター症候群とは?症状や原因&克服するためのポイント
周りの評価が素直に受け入れられず過度に謙遜してしまった経験はありませんか?自分に全く自信が持てない原因は、「インポスター症候群」にあるかもしれません。
インポスター症候群とは、自分自身には能力がないと感じているため周りの人たちの評価が受け入れられない心理状態のことを指します。男女関係なく誰でもなる可能性があり、放置していると症状が悪化してしまうことがあるため原因を理解しておくことがとても大切です。
この記事では、インポスター症候群の症状や原因について詳しく解説します。
克服するためのポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
インポスター症候群とは?
インポスター症候群とは、自分には実力がなく成功や業績は運や偶然が影響していると思い込んでしまう心理状態のことです。
たとえば、自分の行動で会社の業績があがり評価されたとしても、インポスター症候群の人には受け入れられません。なぜなら、自分自身に対して常に否定的な感情を抱いてしまうため、「たまたま運がよかった」「周りの人たちのおかげ」だと捉えてしまうからです。
インポスター症候群は、別名「詐欺師症候群」と呼ばれ、詐欺師・偽物という意味を持つ「impostor」の英語が使われています。この概念は、1978年に心理学者のポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスの著書で初めて紹介されました。
インポスター症候群は気質であり病気ではありませんが、症状が悪化してしまうと仕事や生活に支障が出てくる可能性があります。さらには、精神疾患の原因にもなるかもしれません。
インポスター症候群は、年齢や性別に限らず引き起こしてしまう可能性がありますが、特に高いキャリアを持つ女性に多いといわれています。
インポスター症候群の3つの特徴
1.自分を過小評価する
インポスター症候群の人は、常に自分に自信が持てないため褒められたとしても謙遜する傾向があります。むしろ周りの評価は、インポスター症候群の人にとって重荷になってしまうことがあります。なぜなら、周りの評価が高くなることで自己評価とのギャップがさらに大きくなり、不安やストレスを感じやすくなってしまうからです。
成功することに不安を感じてしまうため、応援や励ましの声もプレッシャーに感じてしまう傾向があります。
2.周りと比較して自分を卑下する
インポスター症候群の人は、他の人と比べてしまう傾向があります。
周りと比べてしまうことが自分は劣っている感じるきっかけになり、さらに自己評価を下げてしまいます。
3.失敗を恐れて挑戦しない
インポスター症候群の人は、失敗に対して非常に敏感になってしまうことも特徴の一つです。自分が挑戦しても、「いつか失敗してしまう」「周りから批判されるかもしれない」と不安を抱えてしまうため、新しい挑戦を避けてしまいます。
また、失敗したことで本当の自分の実力が周りに知られてしまい評価が下がってしまうのではないかというという思考に陥ってしまうこともあります。
インポスター症候群になる原因
インポスター症候群を引き起こす原因は、個人の性格や周りの環境が影響しています。たとえば、勤勉で能力が高い人は、自分が「本当は出来ない人」だと思われたくないことから失敗を過度に恐れる傾向があります。
また、頭ごなしに否定される家庭環境で育ってきた人や兄弟姉妹で比較された人は、人よりも褒められた経験が少ないでしょう。そのため、自己肯定感が育まれず自信が持てなくなった可能性があります。
さらに、同調性が重んじられた教育方針の場合、必要以上に他人の目を気にしやすくなります。自分と周りを比べ続けた結果、自己肯定感を下げてしまったのかもしれません。
人によってさまざまな要因が考えられますが、インポスター症候群の人に共通することは自己肯定感が低く自信がないということです。
インポスター症候群を克服する5つのポイント
インポスター症候群の症状をよくするためには、自己肯定感を高めることが大切です。
ここでは、インポスター症候群を克服する方法を5つご紹介します。
- POINT01
完璧主義を辞める
完璧主義が必ずしも悪いわけではありませんが、過度な完璧主義はストレスや不安を引き起こし、自分自身の能力を過小評価してしまうことにつながります。
インポスター症候群を克服するためには、自分の得意不得意を知り受け入れることが大切です。
自分が達成できる範囲内で最善を尽くせるように意識しましょう。
- POINT02
自分を積極的に褒める
インポスター症候群を克服するためには、自分自身に対する過度な過小評価を減らすことが大切です。
周りの評価は、自分の努力や頑張りによるものだと自覚することが、インポスター症候群克服の第一歩といえるでしょう。自分の能力を見つめ直すためには、過去の経験を文字に書き起こしたり、形に残っている成果を見える場所に置いておくことも有効です。
インポスター症候群の人は無意識に謙遜してしまう傾向がありますので、自分を褒める時間を意識して作りましょう。能力を正しく評価し自分に自信を持つことで、自己肯定感が上がってくるはずです。
- POINT03
成功体験を積極的に増やす
インポスター症候群を克服するためには、「できた」という成功体験を増やすことが大切です。
成功体験は、仕事だけではなく身近なプライベートのことでも問題ありません。些細なことでも自分を褒めることで自己肯定感を高めることが大切です。
- POINT04
SNSを見る時間を減らす
さまざまは人と交流できるSNSですが、常に他者と比較しやすい環境です。
また、よいところが目立ちやすいツールでもあるので、自分の評価を下げてしまうきっかけになるでしょう。SNSをよく利用している人は、思い切って時間を減らすことをおすすめします。
- POINT05
周りの人を頼る
誰にも自分の気持ちを話せない孤独な環境は、インポスター症候群の症状を悪化させる可能性があります。そのため、信頼できる人を見つけて相談できる環境を作ることをおすすめします。
悩んだ時にアドバイスをもらったりサポートしてもらったりできる環境に身をおくことは、安心感につながります。結果的に、期待や責任などのプレッシャーを今よりも軽減させることができるでしょう。
HSPとインポスター症候群は似ている?
また、最近よく聞くHSP(Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)とインポスター症候群は共通している部分があると言われています。HSPとは「先天的に感受性を強く持った人」の事です。インポスター症候群との明確な違いは、先天的か、後天的かになります。
HSPは先天的で生まれ持った気質、インポスター症候群は後天的で環境や経験から得たものという違いがあります。
先天的にHSPのような気質を持った人は、インポスター症候群になりやすいと言えます。
自分自身を受け入れて自己肯定感を高めよう!
インポスター症候群の人は、周りの評価を受け入れることができず、自分自身に対して常に否定的な感情を抱いてしまいます。自己肯定感が低いことでインポスター症候群を引き起こすことがありますので、まずは自分自身の弱点を認めて受け入れることが大切です。
自分を肯定してインポスター症候群を克服することで、自分の可能性を最大限に引き出すことができるようになるでしょう。